丸蔵株式会社

■会社概要
・丸蔵株式会社
・創業:昭和12年7月
・設立:昭和26年4月
・本社所在地:
〒541-0057 大阪市中央区北久宝寺町3-5-3
・事業内容:インテリアグッズ、オーダーカーテン、カーペットなどの販売、量販店等への卸売販売。
インターネット通販
・代表者 小川 篤太郎
・店舗:4店舗
・社員数:30名(女性社員比率8割)
・URL:http://www.marukura.co.jp

 

はじめに―

Q.小川社長が入社された頃は、今ほど女性社員比率も高くない会社だったのですね。
女性社員さんが増えてこられたのはいつ頃からでしょうか?―

A.そうですね、だいたい10年前くらいからでしょうか。
うちは、接客業なので、自然と女性社員比率があがっていったという感じです。
ただ、当時は女性の正社員スタッフは結婚や出産を期に退職するのが当たり前でした。
パートの方では育児しながら働いておられる方は2名いらっしゃったのですが。
接客という職種上、勤務終了時間が読めないことや、シフト制だったり休日出勤することと
育児との両立は無理と思われていたのかなと思います。

 

Q.そうなんですね。そこから、現在は育休から復帰する正社員さんが誕生されたり、
女性でリーダー的立場の方が育ったりと良い形になって来られていますが、
女性の戦力化に取り組もうと思われたきっかけは何だったのでしょうか?

A.当社は、女性が最前線で働いており、女性がハッピーに働いてくれることが、
そのまま、顧客満足や業績向上に繋がります。また、せっかく育ったスタッフが
ある一定の時期に辞めることを繰り返していては、いつまでたっても組織は成長しません。
これは何か対策を取らないといけないと思っていました。
まず取り組んだことは、ボトムアップの組織を創ること。
自分で決めてすすめていく仕事の方が、やりがいがあるし面白いですもんね。
あとは仕事観の変革ですね。何のために働くのか、仕事の目的とか、
そういったところから共有することを行いました。

 

Q.女性の頑張りが、直接売上に直結する。丸蔵さんのように、販売や接客等されていると、
本当にダイレクトに関わってきますね。
ボトムアップや仕事観の共有によってどのような効果がありましたか?―

A.なかなかすぐには変わらなかったですが、徐々に組織が変化していきました。
ただ、もっと何かできないかなと思っていた時、たまたまナチュラルリンクさんとのご縁をいただき、
女性活躍推進に本格的に取り組むことにしました。

 

Q.出会ったタイミングが良かったのですね(笑)。
丸蔵さんでは、当社の研修に継続的にご参加頂いております、ありがとうございます。―

A.当社では、オープン形式でされている女性部下を持つ上司の研修、
女性社員研修に、順番に参加してもらっています。
セミナーに行って、特に女性スタッフに関しては以前よりモチベーションのむらがなく、
意識高く働いてくれるようになりました。また、外部で異業種で働く女性と一緒に学ぶことによって、
同じアドバイスでも上司が言うと、「また言ってるなぁ」になるところが
素直に聞いて吸収してくれているようで、そこはすごく助かっています。
上司である私たちもセミナーに行っていることもあって、
女性社員さんとの接し方を少しずつ工夫しているので、
思いや指示も伝わりやすくなってきたように思いますね。

 

Q.ありがとうございます。継続してご参加くださっているからこその成果ですね。
丸蔵さんでは、育児復帰についても取り組まれていますね。―

A.はい、女性のモチベーションが上がり、意欲高く働いてくれるようになると、次に出てくるのは、
仕事と家庭の両立、育児との両立です。結婚適齢期のスタッフもだんだんと増えて来ました。
現在、女性の主任スタッフはもともとは、「自分は結婚したら会社を辞める」と言っていたんです。
「前例もないし、無理だろう」と。彼女は後輩や部下が信頼をおくリーダー的な立場でもあり戦力なので、
彼女が辞めるのは困ると思いました。これは何とかしないといけないなとずっと思っていたのですが、
そんなとき、ネット部門の正社員スタッフから妊娠したという報告を受けたのです。
「これは早急に何とかしないといけない!」と、社内で女性スタッフを中心に産休復帰プロジェクトを立上げ、
ナチュラルリンクさんにも入っていただきながら対応していきました。

Q.育休復帰体制を作っていかれる中でのポイントはどういった部分でしたか?

A.つわりになったり、それも個人個人によって違います。どのくらい出勤できるかも、
なのでその都度本人とすり合わせしながら行なっていくことが大事だと感じました。
実際にそのスタッフは育休に入り、保育所も見つかりそうなので6月頃には復帰する予定です。
また、周囲も理解することが大切ですね。他人ごとではなくて、自分ごととして捉え、
チームで取り組めるかです。

また、抜けた穴をどう埋めるのかということが、やはり一番大変だと感じました。
彼女がいない間、新しいスタッフを雇うというのは、費用もかかりますし、
復帰するポジションもなくなってしまいます。今いるスタッフでどうやってまわすか、
助け合うかを考えました。実際には、引き継いだスタッフの残業が増えたりした時期もありました。
今はだいぶ落ち着いて来ましたが、仕事の仕方も都度改善していく必要があると思いました。
現在はスタッフの育休復帰に向けて、チーム体制を整えたりしていますが、復帰者が出ることで、
他のスタッフのモチベーションアップにもなればいいなと思っています。

 

Q.そうですね。抜けた穴をどのようにして埋めるのか、仕事のやり方の改善は
大きなポイントになってきますね。こうして前例となる方が誕生されると、
周囲の意識も変わってくると思うのですが、そのあたりはいかがですか?―

A.育休社員が出たり、ナチュラルリンクさんのセミナーに社員が参加して、
女性スタッフの意識はかなり変わってきました。
先日嬉しかったのは、「結婚したら会社を辞める」と言っていた
主任の女性スタッフから、「結婚します」という報告を受けた時です。
もしかして、もう辞めると言うのかな、、、と怖かったのですが、

「結婚しても続けます!続けられるように、お店の体制を整えたり、
後輩育成をしてきたので、大丈夫です」

と報告を受けた時はもう本当に嬉しかったですね。涙が出そうでした。
歯車が回るまでは時間がかかりますが、継続して取り組むことによって
必ず結果に繋がるのだと今は実感しています。
現在は、その女性リーダースタッフの後進となる女性をリーダーにするべく頑張っています。

 

Q.嬉しいことですね。本当にありがとうございます。今後もますます、
男女問わずやる気と能力のある社員さんを活かせる組織になって頂けるよう、
私達も頑張って参りますので、何卒よろしくお願い致します。

A.こちらこそよろしくお願い致します。これからは育休取得スタッフも戻ってきますし、
更にチームで頑張っていきたいと考えています。また、販売スタッフが育休取る実績がないので、
次はその壁をしっかりクリアしていきたいと思っております。今後共よろしくお願い致します。

==

ナチュラルリンクの研修に参加されている、女性スタッフ船戸さんにもお話をお聞きしました。

 

Q.セミナーを受けられる前の状況を教えて下さい―

A.ちょうど、周囲の友人が、結婚していく時期でもあり、これからの自分の働き方、
特に、プライベートと仕事をどう両立させていったらいいのか、漠然と不安がある状態でした。
自分の中で何か変えないといけない時期だと思っていたのですが、自分の人生プランも見えておらず、
また日々の仕事もある中で、社内でもなかなか相談する時間が持てず、もんもんとしていました。
また以前は、目指す先輩がいたのですが、その先輩が退職されたことで、
何を目指したらいいか分からず、モチベーションの波も結構ありました。

 

Q.セミナーと聞いてどんな印象を持たれましたか?―

A.過去に参加したセミナーは、
「こうするべき! あなたの考え方がこうだらうまくいかないのよ!」
と言われるようなもので、それが少し苦手でした。
もちろん言われていることは分かるんですが、何となく感情が受け入れない部分があったりして・・・。
そういった意味では、セミナーに対しては、堅いイメージを持っていました。

 

Q.実際にセミナーを受講されていかがだったですか?―

A. このセミナーは、参加している女性社員同士でディスカッションができる時間が多いので、
周囲の意見に素直に共感できることが多いです。
上司から言われると、つい反発してしまう部分も、同じことを社外の女性に言われると、納得できたり。。
女性って話し合いをするとき、あまり否定から入らないと思うんですね。
「それは違う!」とか、「そうじゃないよ!」とかではなくて”調和”とか”共感”を大事にする気がします。
だからまず一旦は相手の意見を受け入れることが多いので、そのなかで、素直に自分の意見を話したり、
意見を聞いたりすることができると感じました。
また会社から期待されている前向きな女性が参加されているので、ディスカッションも建設的で面白いです。
セミナーの内容自体も、ヒントや新しい視点を与えてもらえるものだったので、
あ、なるほど! という形で、自分の中にすっと入ってきます。

 

Q.異業種で働く女性と一緒に学ぶ環境についてはいかがですか?―

A. 環境が全然違うので、私がこの環境で考えたり悩んだりしていることも、客観視できます。
すると「あ、そんなに悩まなくていいんだ」とか、「そんなに構えなくていいな」とか、
そういった部分で気持ちが楽になることが結構ありますね。
また、今自分が置かれている環境の中でも、改善できる、変えていけることはあるんだなと。
5年目になって、ある程度事は覚えて流れもわかっているから、あとは、
ここを変えたらいいなとかいう部分を、社長や会社に頼るだけではなく
現場の私たちから変えていくことにも目を向けていかないといけないなと思いました。
それを、漠然とはわかっていたのですが人に話すことで、より自分の中で明確にできたという感覚でした。
やはり社内では得られない気づきとか、刺激を得られて、それが同じ働く女性というのは、すごく嬉しいです。

 

Q.研修に行くと、その時はモチベーションがあがっても、日常生活になると
また元に戻ってしまうということもあると思いますが、何か工夫などはされていますか?―

A. 当社では勉強会を開いて、勉強してきたことを、他の女性スタッフに伝え、
皆で共有するということを行っています。聞いてきたことを、そのまま伝えることは難しいですが、
でもできるだけみんなに共有できるように頑張っています。
だから、研修を受けている時は、次にアウトプットするために必死です(笑)
ですが、こうして勉強会をすると、改めて復習にもなりますし、
受けていないスタッフとも同じ考え方を共有できるのでいいなと思っています。
また、堅苦しくならず、わいわい言いながらやっているので、
楽しんで続けられている所が、良い点だなと思っています。

Q.ありがとうございます。では、今後も色々とお世話になりますが、よろしくお願いいたします。

関連記事

  1. 株式会社SHIN9
  2. 株式会社一保堂茶舗
PAGE TOP