先日、トークイベント「世界に挑む会社の、一歩先いく”働き方”」が開催されました。
ご自身の拠点をシリコンバレーに移し、世界を狙うChatWork CEO山本敏行氏
ITを積極的に取り入れ、女性比率も高いという物流業界の風雲児 PAL 辻有吾氏
のお二方をお招きし、他では聞けないオフレコの話も沢山紹介していただきました。
また、インタビュアーは弊社代表 高野美菜子が担当させて頂きました。
日曜日にもかかわらず、多くな皆さんにご参加頂き、あっという間の2時間でした。
まず前半は「ここがヘンだよ日本人、ここがスゴイよ日本人」ということで、
世界から見た日本についてお二人にお話しを伺いました。
日本人は日本人同士で集まる。僕はここにいます!!と言わないと、世界は見向きもしてくれない
辻氏 海外でのカンファレンスに参加すると、結局日本人同士で集まって、熱く話して、そして満足して帰っている。
日本でやってることと同じことしかやっていないのにです。
世界でのネットワーキングと、自分たちを俯瞰的に見るための情報を得に行ってるのに、
その目的果たせてないなといつも感じています。
高野 なぜそうなるのでしょう?
辻氏 根本的に英語に対する苦手意識があるのでしょう。
でも世界では例え苦手でも熱意を持って話そうとする姿勢を見せないと、まったく覚えてもらえません。
なので、僕は英語が話せない時は、なんとか印象に残るようなことをやろうと思いました。
懇親会の席ではお酒をもって全員つぶしていくぞ!!みたいな感じで(笑)
浴衣を着ていったり、お土産に扇子を持っていったり、、、
話せないなりに肩をくんで一緒に飲んだり、夜通し踊り明かしたり、、
要は日本人は引っ込み思案ではないんや!っていうのを僕は見せたかったんです。
おかげで、「Troublemaker(トラブルメーカー)」というあだ名がつきましたが(笑)
でもその時に作った海外の友人が今のベースになっています。
もし日本で同じことをすると下品だとか、あいつ大丈夫か?とか言われると思います。
でも、そう言ってるから世界から見放されるんやで!って思うんですよ。
ちゃんと自己主張しないと、世界は見向きもしてくれないと、、、
アメリカは成果主義の国、全ては自己責任
高野 山本さんはいかかですか?
山本氏 そもそもアメリカに留学していたこともあり、日常生活レベルの会話力はありましたが、
ビジネスで通じるほどではありませんでした。
なので、シリコンバレーに行った時は語学習得もかねて大学に入学しました。
そして、そこで同時に先生のマネジメント方法も観察していました。
とくに面白かったのが、成果主義のハシリみたいな感じで生徒をポイントで吊るんですよね。
例えば朝の授業で出席率が悪かったりすると、今来てる人に3ポイント!みたいな感じで。
また、ちょっと私語とかすると、すぐに出ていっていいよ。と、、、そしてそれが続くと卒業できない、、
日本のように、叱って諭すようなマネジメントではないんです。
前提が違うんですよね。なので、その前提がないまま成果主義を日本に取り入れてもうまくいきません。
なので、日本とアメリカではマネジメントを変えています。
目標は、日本でも200人ほどしかいないと言われている、マネジメントのバイリンガルになることです。
日本のすごいところは圧倒的な信用力
高野 では日本のすごいところはどういうところでしょう?
辻氏 日本のすごいところは圧倒的な信用力ですね。あなたがどうこうではない。日本がスゴイ!とはよく言われます。
海外の友人で日本企業と取引をしている方がいるんですが、、その彼が言っていたことがあります。
日本のメーカーはあんなに細かいものを作る。「そのアイデアはどこからきているんだ?」と聞くと「クレームだ」と。
そのクレームの内容を聞いてみると、なんでそんなことを?と思うような細かな内容。
日本の開発者たちはその内容をまじめに分析して改善して報告して、、、と、、
真摯に取り組む日本企業もすごいが、重箱の隅をつつくようなクレームを出してくる日本人もすごいと(笑)
でも世界から見ると、すごくフラットに見られています。
メイドインジャパンがジャパンで作られていないことも知っていますし。
世界で有名な日本カンパニーではないと、、消費の70~80%は海外でしょ、、と。
日本のすごいところはまじめできっちりしてて良く働く。責任感が強い
高野 山本さんはどうおもわれますか?
山本氏 日本ってすごいユニークな国ですよね。この国土にほぼ単一民族で単一の価値観を持っていて。
アメリカでは辞める=スパイみたいなもんですよ。クライアントリスト全部持って行って次のところでそのまま営業する。
日本ではちょっとやっちゃいけないんじゃない、、?ってこともしちゃいますから。
もちろんクオリティもとても高いんですけど、少しオーバークオリティ気味というか。
日本人には受け入れられても世界では受け入れられない。
でも違いを認めることを今までしてきてないので、世界を相手にしないといけない今、どうしていいかわからない状態という。
アメリカからすると、日本が頑張っていてもそこに特別視はしないんです。
だから、強みも弱みを知ってた方がいいと思うんですよね。
日本人の苦手なところは素直に認めて仕入れたらいいと思っています。
僕たちも日本とシリコンバレーとありますが、例えばデザイン。
デザインは日本のテイストは世界では受け入れられないので、世界で通用するデザインができる
サンフランシスコの会社に発注しました。
シリコンバレーのエンジニアもすごいですが、日本のエンジニアの質は素晴らしいです。
やっぱり日本はものづくりの国だなと。責任もってきっちり納期までに仕上げて、そしてちゃんと働く。
生活コストの違いはありますが、シリコンバレーと比較するとエンジニアの人件費は半額です。
しかもブラックなIT企業だとアメリカ人エンジニアの2倍の時間働いてます。
だから4倍お得だと言っている方もいました(笑)
なので、アメリカが得意なところと日本が得意なところのハイブリッドでやればいいかなと思っています。
全部日本でやらないといけないこともなく、全部世界に出ないといけないこともなく。
それを全体的にうまくマネジメントするのが世界での戦い方かなと思っています。
僕は日本出身なんで日本に頑張ってもらいたいっていうのもあって、、
ものづくりというところで絶対世界に勝ってやろうと思っています!
もっと成功したら大々的に言おうとおもうのですが、それまではこういう場所で(笑)
高野 おもしろいですね!本当に世界はフラットなんですね。日本に固執するのは日本人だけなのでしょうか、、
辻氏 ま、母国ですからね(笑)
でも圧倒的に時間を守るのは日本人だけですよ(笑)海外にいると5~10分遅れるなんてあたりまえですから。
事実かどうかは別として「道混んでた」は礼儀です。
日本で言うと、沖縄時間。あれはグローバルスタンダードです(笑)
山本氏 先ほど重箱の隅をつつくようなってお話しがありましたが、まさにそうで、日本はミスがあるとつつかれるんです。
向こうはミスだらけなので、ミスに寛容というか、、
年金のミスとかニュースになってたじゃないですか。アメリカでは絶対にニュースにならないですね。
なので、ミスに寛容にならざるを得ないというか。こちらしっかりが催促しないといけない。
高野 全部自己責任なんですね。
山本氏 そうですね。クラウドで全部オンラインになってるものは完璧なんです。
辻氏 ITに対する期待とニーズが日本とはかけ離れていますね。日本は人がやっても正確だけど、
世界は、そんなことやったに日は大変なことが起きる。IT化してあげることでミスが減ってみんながHAPPYという。
その土壌の違いは大きいと思います。
山本氏 逆に日本帰ってきてクラウドサービスをやろうと思うと、結局ここから問い合わせ(電話)かい!みたいなのはあります。(笑)
人がすごいので、それがベースなんですよね。
日本人の賢さが日本の発展を遅らせている
高野 そういう意味では、これからの日本はどうなっていくんでしょうかね?
辻氏 物流業界の話をすると、、実は日本は世界から見ると15年くらい遅れています。
世界に名だたる物流会社はチャレンジしているレベルがとても高い。さっき言ったように失敗を許容する文化なので、
よそがやってないことをバンバンやっていかないと勝てないんです。
例えば、日本の識字率はほぼ100%だと思いますが、海外では60~70%。
そんな中で物流やるとなると、センターの作りこみやシステムまで、全然違うんです。
字が読めなくて当然。その商品が何か分からなくてもいい!っていう。
そんな状況の中でも、間違えずに入れて、間違えずに出荷しなければならないんです。
日本は字が読める人が前提なので、見る作業・検品作業、無駄な作業がとにかく多いんです。
例えば郵便番号。日本では正確に書きさえすれば荷物はほぼ間違いなく届きます。
とても正確に区画整理されていますし、地元の郵便局員さんなんか、名前を見ただけで、「あ!次男坊さんやね」って分かる人もいる(笑)
一方、インドネシアなんかは新しい家が建った順に番地をつけていくので、1丁目さえも分からない、、、
そんな中でも正確に物をとどけるために、ITを駆使したスタートアップベンチャーやイノベーションがどんどん生まれているんです。
日本はさっさと困らない環境を作ってしまったという。
また日本は人件費に関しては先進国の中で劇的に安い。
字が読めて・書けて・PC使えて、時給900円みたいな。おまけにまじめで時間通り。
普段の2倍の物量がきても智恵でなんとかのりきってしまうんです。
これは3年くらい前の情報ですけど、フランスではバーコードリーダーかざすだけで時給2600円。。
物流の観点からいうと日本が15年も遅れたのは、字が読める人が多かった、困る環境がなかったということだと思います。
なので、僕は逆に向こうの考えを日本に入れようとしています。
読まなくていい、見なくていい、考えなくていいみたいな。
それを智恵が働く人が使ったらどうなるのかなと思って。
高野 おもしろいですね!日本はまじめで賢すぎるから、逆に遅らせてるんですね。
山本さんはいかがですか?
山本氏 日本は問題が小さいですね。お風呂に入ろうと思うと、ボタンを押すだけで40度のお湯が勝手に出てくるみたいな、、
これ、アメリカでニュースになっていました(笑)「未来だ!」って(笑)快適過ぎて困らないですね、、
でも日本国内のマーケットは縮小しているので、グローバルでは戦って行かないといけない。だから今困り始めてる。
でも、これってめちゃくちゃチャンスだと思うんですよね。
グローバルを知ったリーダーが増えた時、めちゃくちゃ強くなる!って思います。
今まではリーダーが優秀じゃなくてもやってこれたんですよ。日本の経営者ってすごい楽だなって思います。
人件費も安いし、みんな出来るし、我々リーダーがグローバルを知って組織できたら、
あとは売上を海外からいっぱいとってきたらいいんです。
これからは、そんなチャンスの時代がやってくると思います。
キーワードは”フェア”
高野 では後半は「働き方×女性活躍×IT」ということで、前半の話しの流れで日本の働き方っていうのを見ていきたいと思います。
今みなさんいろんなところで目にしたり感じたりしてらっしゃると思うんですが、
日本の会社が働き方を変えないといけないという時代になってきています。
その一つは育児しながら働く女性が増えた事で、長時間労働で売上を上げていたやり方から、いかに効率よく生産性を上げて、
いかに柔軟に働けるかっていう事をやらないといけない。またこれから介護の人がますます増えてくると予測されますので、
時間と場所にとらわれない働き方をいかに企業がしていけるかっていうのがすごくカギになってくると思うのですが。
ちょっとそこで山本さんに質問なんですけど。アメリカではそもそも「女性」に限定することがNGと?
山本氏 面接とかもよく言われますけど。性別も聞いちゃいけないし、年齢も聞いちゃいけないし、宗教も聞いちゃいけないし、
住所も聞いちゃいけない、家族構成とかも聞いちゃいけない、仕事に関係すること以外は聞いちゃいけない。
基本、この仕事をあなたができるか以外は一切関係ないと。
だから、出産の時、日本は逆に恵まれてるんじゃないかと思っていて、アメリカだと出産2週間前まで働くのが普通。
出産は病気じゃないので、、で生まれたら2ヶ月で復帰、、もう少し早いかな?が普通なんですよ。
ま、無痛分娩なんで負担が少ないっていうのもあるんですけど。
もちろんアメリカでも男女差別は少しはあるんですけど、日本の圧倒的なものに比べると、ほぼフェアですね。
高野 すごいですね!2週間前まで働いて2ヶ月で復帰、、経営者みたいですね。日本と感覚がぜんぜん違いますね。
山本氏 正当に評価される分、正当に働かないとっていう感じで。お互い全部フェアで。
経営者と社員もフェアですし、いつクビにされるかわからないし、いつクビにするかわからない。
フェアっていうのがキーワードだなって思っています。
”フェア”に働けるだけの土壌がある
高野 なるほど、ありがとうございます。
辻さんにもお聞きしたいんですけど、ダイバーシティとか女性活躍とか海外に行って感じられる日本との差ってありますか?
辻氏 僕がカンファレンスに行くのは、グローバルな経営者団体に所属していて、勉強に行くんですよね。
そうするといろんな国々からいろんな方々が来るんですけど、その支部の女性比率を聞くと、日本は圧倒的に低いんですね。2~3%ですかね。
でも世界は30%くらい女性の経営者がいるんです。同じアジアにもかかわらずです。
経営者として集まって、ネットワーキングに来て、経営に活かせるだけのお互いの経験のシェアをしに来ている。
それ以上でもそれ以下でもなく。なので、それ以外の扱いは存在しないんです。性別なんてことが議論に入ってくることはまずありません。
ただ、圧倒的に日本まだまだやなって思うこともあります。フェアだって言っている人の国々行くじゃないですか。
それは妊婦の方々や女性の子供連れの方々、お年寄りに対しての街ぐるみでの配慮がすごいです。圧倒的に育てやすい環境がある。
例えばシンガポールなんかすごいですよ!階段の前に乳母車が来たら皆がウワーって来ますから。何も言わずに普通に持ちます。
世界中、そういう環境にある人をちゃんとサポートするってことが当然になっていますよ。
それを見ると、僕は日本って辛いなと、子育て本当しにくい国やと思うんですよね。
ベースがフェアでいられるのは、彼女達の国はフェアでいられる環境があるのは間違いないと。
あとは格差ですね。こういうお話の時に重要だなと思う事は、日本っていうのは格差がないんですよ。
アジアの国々、世界の国々っていうのは格差があるんですよ。たとえばインドなんかで言うと、メイドさんの家に生まれると一生メイドなんですよ。
その差があるからこそ、出産しても1週間後にアメリカで会議があるとなれば行けるんです。
同じ条件の中で全ての人たちが生活している日本と、全く異なった環境・条件・身分・収入の中で生活している世界の国々と、
同一に語るのは正直難しいなと思います。
僕がダイバーシティについて思うのは、日本はあまりに幅が少なくて、同じ条件になっているのと、
女性活躍をするための土壌が、日本が一番ハードだということです。
世界は活躍しやすい環境が土壌として整ってる。子どもを大事にする。格差がある。
日本語で格差っていうと非常にセンシティブな言葉になっちゃうんですけど、それが女性活躍の土壌に大きく寄与しているんじゃないかなと。
いろんな国の友人の家におじゃましてみると、リアルに感じます。お母さんが子どもを抱いて出てきた家、一軒もないですから。
みんなベビーシッターが抱いてます。そういう環境っていうのを見てると、ぜんぜん違うなーっていうのは思いますね。
高野 そういう意味では、前半のお話しにもありましたグローバル化が進んで、そういう考えが入ってくるということによって
良いカタチになっていきそうですよね。変えざるをえないっていうか、日本人もマインドを変わらざるをえなくて、
国際社会で勝っていくためには、働き方もいろんな部分も変わっていかなくてはならないとなかなかですよね、、
辻氏 自然とそうなっていけばいいと思うんです。
日本人は良心とか智恵とかがものすごく働く、その親切さで見ると世界共通なんで。ちゃんと智恵を働かせてお互い助け合う。
昔でいうと隣組のような組織であったりとかがあったように。
そういう文化にいずれは戻るんじゃないかと思うんで。日本式の環境整備っていうのは、全員が考えていかなければならないんじゃないかなと。
ITとアナログの得意な部分を見極めるからこそできる柔軟な働き方
高野 なるほど、ありがとうございます。では次は働き方という部分で見ていきたいなと思います。
今日はチャットワークの山本さん来られているので、やっぱりITが働き方を大きく変えていくカギになってくるということと、
チャットワークさんは世界の働き方を変えるということで進めてらっしゃると思うんですけど。
ITを活用したらどんな働き方が可能なのかとか、今実際チャットワークさんでこんな柔軟な働き方になっているとかありますか?
山本氏 そうですね、みなさんもIT活用されてる方がほとんどだと思いますけど。
ITの何が強いか・何が弱いか、、アナログの何が強いか・何が弱いか、、それを全部いっしょくたにしてしまう傾向にあるなと思っていて。
IT使うなら全部ITじゃなくてはならないみたいになってると思うんですけど、ITでやるべきこと・やってはいけないことをきっちり見極めて、
この部分はITにやらせた方がいいよねみたいな感じで分けて考えています。
うちではチャットワーク提供していますけど、どっちかというと私語は多いですよ(笑)
仕事のことはチャットにしてログ残しておくとか、大阪と東京バラバラだったらグループチャット残しておいて。
普段の会話はめちゃくちゃ口頭でしています。
うちの会社は振り切ってる会社なので、お客様にも会わないし、電話もない会社です。
なので、逆に普通の会社よりも喋ってるかもしれないですね。お客様気にせずできるんで、、(笑)
で、ITを使うとどういう働き方ができるかっていうと、ITの得意なところといえば、時間・距離とかを飛び越えれますよねと。
でも、今、私はシリコンバレーにいますが、時差があると辛かったりするんですよね。
僕自身が16時間時差がある場所に身を置くと、でも日本の代表でもあるので、マネジメントしないといけない必然性が出てくる。
そうやって必然性が出てくると工夫を始めるんです。だから、僕がどんどん過酷な所に身を置くと、うちの会社が良くなって、
うちの会社が良くなれば、それがツールに反映されて、そのツールを使って頂ければ良くなるという感じです。
今一番やっているのは16時間の時差を埋めるために、動画をめちゃくちゃ使うんですね。1日5本~10本動画を撮ります。
例えば、デザインができたと連絡が来ると、画面を撮るようなソフトを使って撮りながらテキストでは伝わらない僕の想いなんかを動画で撮る。
それをyoutubeに限定公開であげて、送るという方法です。
高野 なるほど、、
あの、IT便利なんですけど、ネット環境が良くないと一瞬でアウトじゃないですか。そういう時って山本さんどうされてるんですか?
常にネット環境が良いように自分で何か持ち歩いているとかありますか?
山本氏 その時は考え事をするとか、、この後オフラインになるなっていうのを想定しながら仕事はしています。
基本僕は仕事したい時だけしたいんで、あんまり、オンラインにならない時もあります。
高野 なるほど、ありがとうございます。
辻さんも物流業界で最先端な働き方されてると思うんですけど、うちはこんな風にされてるとかありますか?
使命はITを使うことで得られる便利さ、効率を伝えていくこと
辻氏 実はうちのネットワーク化の口火を切ったのは山本さんで。日本にもこんな働き方してる人がおるんや!とワクワクしました(笑)
前例がないと社員たちに説明ができないじゃないですか。それをやってはったんですよね。
お互い違う場所にいる人たちが、チーム別にコミュニケーション取れる環境をどうやって作っていくかであるとか、
チャットでメッセージのやりとりしてて、必要があればしゃべったらいいみたいなスタンスで仕事しておられて。
場所なんか関係ないですよねみたいな、、にこにことしておられて(笑)僕それを見て、即導入させてもらって、いろいろ相談にのってもらいました。
僕ら物流業界って一箇所に集まらないんですよ、社員が。物流センターバラバラなんですね。
その方々とどうやってコミュニケーション取るんかとか、ノウハウを共有しあうとかが重要で。
以前ですと、人が変わるとノウハウが変わるくらい変わってたんですよ。
あと、しゃべってもないのに仲悪いやつとか出てくるんですよ(笑)イメージとかね、、誰かから聞いてとかね(笑)
それが、デバイスの発展とインターネット技術の効果で同じフォーマットを共有できるようになりました。
例えば会議なんかでも、僕らはテレビ会議で画面上で毎日しゃべりますし、朝礼なんかも同じシステム使います。
空間と時間を越えれるような働き方ができてきたのと、何かあった時顔を見て話すことができるようになりました。
なので、僕がいざ行くってなった時の話しの重要性が増しました。わざわざ来んねや、、おっさん、、っていう(笑)
これは社として重く受け止めてるなっていうのが伝わるようになりましたね。
そういう意味では僕らは物流界でもスマホの活用からクラウドの活用からデータの活用から、かなり進んでやらしてもらってます。
それも、ほぼ社員のアイデアで作りこんでいってるんで、人のちょっとしたアイデアが会社の機能化するっていう意味では
ITの技術進歩っていうのはすごいなと思っていて。それはどんどん活用すべきだと思ってやっていますね。
実は人の英知で人の手でやることには限界がきてて、これから生産性上げようと思うと、システム・機械なんですよ。
それに人がどう関わるかなんです。そうやって人の負担をどんどん減らしてあげる、そして人は現場を良くするための智恵を出すことに向かせてあげる。
たとえアルバイトであってもそういう方向に向かせてあげる。そのために必要なのがITの改革やったりするんです。
先ほど、日本の物流業界は15年くらい遅れてるといいましたが、いまだに古いシステム、
重たくて硬くて、柔軟性のない、データ一発出すだけで数百万みたいなんが、いまだにのさばってる業界なんですね。
なので、こんなんしたら便利ですよ!こうしたらもっと軽いですよ!っていうのを
伝えていかないといけないっていう意味では、僕らは実践をしておく必要性がある、それは使命として持ってますね。
それは働き方もそうで、後ろに立ってる北窓も、今年帰ってきましたけど、去年まで3年パナマから業務やってました。
使える環境はとことん使う、そのためにも企業の柔軟性はこれから重要
高野 私全然気づかなくって、普通に大阪にいらっしゃると思っていました。
辻氏 そうですね(笑)どこにいても、結局やるべきことが決まっていて、時間帯が違っていても、
基本的に成果として出さないといけないことが決まっていれば、別に関係ないと思うんですよね。僕はそういう働き方でいいと思ってるんで、、、
北窓は辞めないと、、って思ってたみたいで、、
「いいやないか行ったら!行け行け!!」「え!?」みたいな(笑)
「辞めずにそのまま行き!」って言って、、そのまま行ってそのまま働いてもらうっていう。
僕にとってはごく自然ですよね、環境があったんで。
そういう意味では環境はフルに使う、使い倒して、トライ&エラーして、深めていく。どんどん使った方が良いっていう。
高野 今のお話しをお聞きしてて、私も常々思っているんですけど、ベンチャー企業って柔軟で、社長とも距離が近い。
だから、前例ないけどやってみようや!っていうのができる。やる気と実力が認められていたら、叶いますよね。
特にこれから女性でも育児しながらでも仕事頑張りたい!っていう人にとっては、ベンチャーってすごい良い環境だなと思って、
そのあたりも変わっていけるといいですよね。大手だからとかじゃなくて、ITを使って柔軟な働き方に変えていくことで、
いろんな人が働き続けられる会社っていうのはベンチャーだからこそできるっていうふうに思います。
辻氏 そうですね。特に、僕ら物流業界とかもともと拠点が分かれているので、会社として慣れてるんですよね。
毎日全社員がここで会わない。で、きっと頑張って働いてくれてるんだろうなーって星空を見ながら、、、(笑)
考えて、皆を信頼してるから働いてくれてるような、社風というか、環境があったのは事実ですけれども、
それが一つパナマにできただけですから、何も不思議はないなっていう。
でも、環境はそうさせてくれるので、その環境に、柔軟にしておくっていうのは、
企業としてこれから重要じゃないかなとは思ったりしますけどね。
高野 そのあたり山本さんも、チャットワークさんってやっぱり働き方は柔軟なんですか?
山本氏 そうですね、やはり柔軟さっていうのはかなり重要視していまして、ま、社長が突然海外移住しちゃうとか(笑)
最近も、新卒で入社して7~8年目のエンジニアの子がいたんですけど、、
台湾人の彼女ができたことができたことがきっかけで、台湾に行きました(笑)
急遽エンジニアからマーケティング部に移籍して、マーケティングの勉強もしてもらって、採用のプロセスも覚えてもらって。
とりあえず、2か月行ってみて、結果が出なければ帰って来いと。
彼も頑張って中国語で現地のスタートアップイベントでプレゼンしたりして、台湾のユーザーが増えているんです(笑)
高野 なんだかお二人の話しを聞いてたら、人生を二倍生きてる!みたいな感じですよね(笑)
辻氏 自由ですよね!そういう意味では。僕も自由ですよね。ただ、自由奔放にはアクセスされてくるんで、(笑)
昼夜とわず(笑)逃げれないなと(笑)
でも、そのおかげで、会社は滞らず、止まらず、全てがドライブしていきますから。
そういう意味では、僕はどこにおっても関係ないんやろなと、うちの社員にとっては、、柔軟性ありすぎるんですけど、、
高野 ありがとうございます。お話は尽きませんが、時間もきましたので、ここで終えていきたいと思います。